プロ野球巨人の福田聡志投手(32)が野球賭博に関与していた問題で、調査を担当していた日本野球機構(NPB)の調査委員会は21日に記者会見し、同球団の笠原将生投手(24)と松本竜也投手(22)の2人も野球賭博を行っていたと発表した。
調査委によると、笠原投手は2014年4月~10月ごろ、プロ野球の試合について、笠原投手が福田投手に紹介した税理士法人勤務と称する知人男性との間で約10試合、飲食店経営の別の知人男性と10~20試合賭けを行った。これまで笠原投手は野球賭博に何度か誘われたが断っていたという趣旨の説明をしていた。
記者会見で、新たに2選手が野球賭博を行っていたと発表するNPB調査委員会の大鶴基成委員長。左は宮本慎也委員(21日、東京都港区)=共同
松本投手も笠原投手を介して十数試合に賭けたという。いずれも「現時点では、巨人の試合が含まれていたとは認定していない」としている。
選手への聞き取りや、携帯電話のメールの解析などで発覚。調査委は福田投手と笠原投手がこのほか高校野球でも勝敗を賭けていたほか、賭けマージャン、バカラなどの賭博を行っていたことも明らかにした。
調査委は知人男性2人がいずれも野球賭博常習者と認定。反社会的勢力とのかかわりについて、大鶴基成委員長(弁護士)は「調査中」としている。調査委は中間報告としてNPBの熊崎勝彦コミッショナーに調査結果を提出。1カ月以内をメドに最終報告をするとしている。
調査委によると、3選手は「所属球団が直接関与する試合の賭けをすること」を禁じた野球協約177条ではなく、「所属球団が直接関与しない試合、または出場しない試合で賭けをすること」などを禁じた180条に抵触する可能性がある。違反した場合の処分は、1年間か無期の失格と定められている。
笠原投手は09年に福岡・福岡工大城東高校からドラフト5位で巨人に入団。賭博に関与していたとされる14年は26試合に、今季は20試合に登板した。松本投手は12年に香川・英明高校からドラフト1位で入団し、1軍での登板はこれまでなかった。
▼野球賭博問題 プロ野球巨人の福田聡志投手が高校野球や巨人の試合を含むプロ野球、米大リーグの試合を対象に賭けをしていた問題。9月末に福田投手の知人が巨人に接触して発覚した。球団が調査して10月5日に公表し、福田投手と知人を紹介した笠原将生投手に謹慎処分を科した。日本野球機構(NPB)によると、1969年に発覚した「黒い霧事件」で現役選手が永久失格処分を受けて以降、野球賭博などで選手に処分が下されたことはない。〔共同〕