【ワシントン=川合智之】オバマ米大統領は26日、訪米したインドネシアのジョコ大統領とホワイトハウスで会談した。ジョコ氏は会談後、記者団に対し「環太平洋経済連携協定(TPP)に参加するつもりだ」と意欲を示した。会談後に発表した共同声明は「南シナ海での最近の進展について懸念を共有する」と述べ「すべての当事者が南シナ海で緊張を高める行動を控えることが重要だ」と指摘。航行の自由を守る重要性を確認した。
オバマ米大統領(右)と会談するインドネシアのジョコ大統領(26日、ワシントン・ホワイトハウス)=ロイター
参加12カ国で5日に大筋合意に達したTPPについて、ジョコ氏は「インドネシアは開放経済で、2億5千万人を抱える南アジア最大の経済だ」と同国が加わる意義を強調した。アジアでは韓国も参加に前向きな意向を示している。米は参加国との調整を進める方針だ。
インドネシアは中国と南沙諸島の領有権問題を持たず、中国による南シナ海での埋め立てでは中立的な立場を取ってきた。一方で米は中国が主張する領有権を認めず、埋め立てた人工島の周囲12カイリ(約22キロメートル)内は航行の自由があるとして米軍艦船を派遣する方針。共同声明では中国を名指しして非難はしなかったが、インドネシア側が米の主張に理解を示した形となった。
両首脳は海上の安全保障や気候変動・エネルギーなどの分野で協力を進めることも確認。米はインドネシアの再生可能エネルギーの支援や、二酸化炭素(CO2)を吸収する森林を保護する計画への協力などで合意した。