【ジュネーブ=原克彦】汚職事件による混乱の収束を図る国際サッカー連盟(FIFA)は26日、2016年2月に行う会長選挙の立候補の受け付けを締め切った。8人が出馬を表明している。欧州サッカー連盟(UEFA)は本命とみられたプラティニ会長(フランス)がFIFAから活動禁止処分を受けたため、インファンティノ事務局長(スイス)を擁立。混戦となるのは必至だ。
FIFAは27日にも立候補者を正式に発表するとみられている。プラティニ氏や5月の会長選挙で敗れたFIFA元副会長のアリ王子(ヨルダン)らは先週までに届け出を済ませた。アジアサッカー連盟のサルマン会長(バーレーン)や南アフリカの富豪セックスウェールズ氏らは直前になって出馬を決めた。
FIFAはまず、届け出た人物に汚職疑惑などがないかを確認する「潔白調査」を済ませたうえで候補者を確定する。2月26日の会長選ではFIFAに加盟する各国・地域の209団体が1票ずつを持つ。
抜本改革への期待が高かったプラティニ氏はFIFAから不透明な収入を得ていたことが明らかになり、8日から90日間の活動禁止処分を受けている。活動禁止が解けるまで立候補が認められるかが分からない見通しだ。
米司法省は5月27日にFIFA副会長ら関係者14人を贈収賄などで起訴。ブラッター会長は5月29日の会長選で5選を果たしたが、4日後に辞意を表明した。同会長は背任などの容疑でスイス当局の捜査を受け、FIFAがプラティニ氏と同時に活動禁止にした。