【NQNニューヨーク=神能淳志】3日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続落した。前日比30銭の円安・ドル高の1ドル=121円00~10銭で終えた。米金利が上昇し、日米の金利差拡大を見込んだ円売り・ドル買いが広がった。米株高も円相場の重荷となった。
ニューヨーク債券市場では米長期金利が一時2.22%と約1カ月半ぶりの水準に上昇(債券価格は下落)した。米ダウ工業株30種平均も一時100ドル超上げるなど投資家心理が改善。ドルと比べて相対的に金利の低い円を売る動きが優勢となった。
ただ、円の下値も限られた。3日は日本が祝日だったこともあり「積極的に円の下値を探る取引も目立たない」(邦銀の外為ディーラー)。安値圏では持ち高調整を目的とした円の買い戻しも入り、相場を支えた。
円の安値は121円23銭、高値は120円86銭だった。
円は対ユーロで反発し、前日比20銭の円高・ユーロ安の1ユーロ=132円70~80銭で終えた。ユーロが対ドルで下げたため、対円にもユーロ売りが及んだ。
ユーロは対ドルで4営業日ぶりに反落した。前日比0.0050ドル安い1ユーロ=1.0960~70ドルで終えた。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が3日、国債購入を含む量的金融緩和策に関して「12月の理事会で緩和度合いを再検討する必要がある」などと述べた。追加緩和の可能性が改めて意識され、ユーロ売りにつながった。
ユーロの安値は1.0937ドル、高値は1.0981ドルだった。
オーストラリア(豪)ドルは米ドルに対して上昇した。前日の1豪ドル=0.71米ドル台半ばから0.71米ドル台後半に水準を切り上げた。オーストラリア準備銀行(中央銀行)が3日の理事会で、政策金利を2%で据え置くことを決めた。利下げを見込んでいた一部の市場参加者が豪ドルを買い戻す動きを活発にした。