【NQNニューヨーク=横内理恵】10日のニューヨーク外国為替市場で円相場は7営業日ぶりに小反発した。前日比5銭の円高・ドル安の1ドル=123円10~20銭で取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)による年内の利上げ観測を背景に急速な円安・ドル高が進んだ反動から、利益確定や持ち高調整を目的とした円の買い戻しがやや優勢だった。
10日の米債券市場で長短金利の上昇が一服したことも円を買い戻す動きにつながった。一方で、ダウ工業株30種平均などが上げて終えたため「低リスク」とされる円には買いの勢いを欠いた。将来的な利上げに伴い、米金利の先高観が根強いことも円の上値を抑えた。
10日は注目された米経済指標の発表がなかった。米国は11日がベテランズ・デーの祝日で債券と為替市場が休場となるため、参加者が売買を手控えていたこともあって、円相場は終始方向感に乏しかった。この日の円の高値は123円06銭、安値は123円44銭だった。
円は対ユーロで反発し、前日比35銭の円高・ユーロ安の1ユーロ=132円05~15銭で取引を終えた。対ドルでユーロが下げたため、対円にもユーロ売りが及んだ。
ユーロは対ドルで反落し、終値は前日比0.0030ドル安い1ユーロ=1.0720~30ドルだった。一時は1.0674ドルまで下げ、4月23日以来およそ半年ぶりの安値を付けた。欧州中央銀行(ECB)が次回の理事会で追加の金融緩和を検討しているとの観測から、米欧の金融政策の方向性の違いが意識された。ただ、安値を付けた後は持ち高調整の買い戻しも入り、下げ渋った。
ユーロの高値は1.0731ドルだった。