文部科学省の専門家会合は11日、iPS細胞を病気の治療に応用する時期の目標などを示す工程表の改訂案を公表した。2015~16年に開始予定だった神経の難病のパーキンソン病の臨床研究など、多くの病気で臨床応用の開始時期を1年以上遅らせた。
iPS細胞は傷ついた組織や臓器を治療する再生医療の切り札とされている。
工程表は09年に初めて作成され、今回の案は2回目の改訂になる。臨床応用については、角膜や心筋など臓器・組織ごとに開始時期などを設定している。
14年に目の難病患者を対象とした再生医療の臨床研究が理化学研究所などのグループによって世界で初めて実施された。
2例目として注目されている京都大のパーキンソン病の臨床研究は15~16年に始めるとしていたが、1年遅らせて16~17年に変えた。
血液を構成する血小板を作製する血液の難病の臨床応用も2年遅れる。肝臓や腎臓といった難易度が高いとされる疾患については3~4年遅れる見通しだ。
一方、新たに歯の再生などを盛り込んだ。歯は22~23年に臨床応用が始まるとした。