三菱航空機が開発中の国産ジェット旅客機「MRJ」の初飛行を受け、航空機産業が集積する中部では、経済界や自治体の関係者から喜びの声が相次いだ。
中部経済連合会の三田敏雄会長は「中部経済人のひとりとして、大変誇らしい。これをきっかけに受注増へ弾みがつき、中部圏の、ひいては日本の航空機産業が一層発展することを期待している」とコメント。名古屋商工会議所の岡谷篤一会頭は「歴史的瞬間に立ち会うことができ、大変うれしい。今後本格化する飛行試験や型式証明の取得に向けて、プロジェクトを着実に推進していただきたい」とした。また、中部経済同友会の新美篤志代表幹事は「裾野の広いものづくり企業が集積された当地域に活気をもたらす起爆剤。『ものづくり大国日本』復権の原動力となることを期待したい」と述べた。
愛知県の大村秀章知事は「量産機の出荷が始まれば、完成機メーカーを頂点とした民間航空機の産業ピラミッドが国内で唯一、この地域で完成する」と強調。「人材育成の支援をさらに進めたい」との考えを示した。
三重県の鈴木英敬知事は、量産拠点である尾翼の組み立て工場が松阪市に開設されることを踏まえ、「伊勢志摩サミット開催前に夢への第一歩を踏み出し、量産化が加速することになった。県内企業の航空機産業への参入促進などにつなげていけるよう全力で支援したい」と述べた。