フランスのダナ駐日大使は日本経済新聞などに対し、今月末からパリで開く第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)で、議長国として合意をめざす重点課題を明らかにした。今世紀末までの地球平均気温の上昇を工業化前に比べ2度以内とする目標を、合意文書に「可能な限り明確に盛り込むのが我々の狙いだ」と述べた。
COP21は2020年以降の温暖化ガス削減の国際的な枠組みを話し合う。初日の30日に開く首脳会議で「合意へ向けての流れをつくりたい。削減の目標数値の上積みを表明する国があればなおよい」と期待を示した。
各国が国連に提出した自主削減目標を合計しても、気温上昇は少なくとも2.7度に達する見通し。ダナ大使は「これでは不十分だ」として、「2度目標の達成へ向けて、5年ごとの見直しでより野心的な削減目標を出せるようにする」と説明した。
新興国の温暖化対策などのための資金援助に関しては「フランスは年間30億ドル(約3700億円)から同50億ドルに引き上げると発表ずみだ」とし、日本にも同調を呼びかけた。削減目標や援助額などをめぐりCOP21の交渉は難航も予想されるが、ダナ大使は「COP21は出発点でしかなく、その先を考える流れができつつあることに満足している」と述べた。