【ニューヨーク=河内真帆】米小売業最大手ウォルマート・ストアーズが17日発表した2015年8~10月期決算で、売上高は前年同期比1%減の1174億800万ドル(約14兆4410億円)、純利益は同11%減の33億400万ドルだった。ドル高の影響で海外事業が2桁の減収だったことが響いた。人件費やIT投資が利益を圧迫した面もあった。
主力のウォルマート部門の売上高は米国外が前年同期比11.4%減少した。英国や中国、ブラジルの既存店売上高がマイナスだった。一方、米国内の売上高は3.8%増で、既存店売上高は1.5%増と5四半期連続のプラスとなった。小型で都市中心部に出店しているネイバーフッド・マーケットが堅調だった。
ウォルマートは顧客対応の改善をめざし、店員の最低賃金の引き上げに踏み切った。またアマゾン・ドット・コムなどネット通販に対抗するため、オンライン事業の強化に積極投資している。こうした取り組みが利益の減少要因になっている。