【ロサンゼルス=中西豊紀】独フォルクスワーゲン(VW)のミヒャエル・ホーン米法人社長は18日、ロサンゼルス自動車ショーの記者会見で「近くリコール(回収・無償修理)計画を発表する」と述べた。具体的な内容については「当局との話し合いがある」として明らかにしなかった。テネシー州での工場に9億ドル(約1100億円)を投資する計画も改めて変更が無いとした。
カリフォルニア州大気資源局(CARB)はVWに20日までにリコール計画を提出するよう求めている。ホーン社長の発言はこれを念頭に置いたものとみられる。同社長は記者団に「技術的な問題などを議論している」と話した。
自動車ショーではテネシー州の工場でつくる米市場向け乗用車「パサート」の2016年モデル車を発表し、「今後も重要市場である米国にコミットしていく」との姿勢を強調した。
新型パサートはディーゼルエンジンを採用せず、すべてガソリン車とする。これまでは25%程度がディーゼル車だった。今後の環境車の技術の方向性については「将来はハイブリッド車(HV)や、電気自動車(EV)が中心になる」と話した。
9日に米国で始めた不正車を保有する顧客への1000ドルの金銭補償措置については「(対象となる48万人のうち)25%の12万人超が今朝までに申し込みをした。残る対象者全員にもキャンペーンを周知すべく対応をとる」と述べた。同キャンペーンを利用した場合に集団訴訟に加われないのではとの指摘には「事実ではない」と否定した。