国内乗用車8社が27日まとめた10月の世界生産実績(速報値)は前年同月比2.8%増の238万1058台と5カ月連続で増加した。トヨタ自動車(7203)や日産自動車(7201)が海外で単月での過去最高の生産を記録するなど好調な海外生産がけん引した。国内生産も輸出向けが好調で16カ月ぶりに前年を上回った。
海外生産は4.2%増の161万3333台と8カ月連続で増加した。単月の海外生産で最高だったトヨタは欧州やアジアでの生産が好調で0.2%増の53万2589台、日産自はメキシコや中国での生産が拡大し5.7%増の41万1465台となった。このほかホンダ(7267)、スズキ(7269)、マツダ(7261)も10月単月での海外生産が最高となった。景気減速が懸念される中国でも新車投入や小型車減税が追い風となっている。日産自の中国生産は18.5%増、ホンダも10月単月の中国生産が最高となった。
国内生産は0.1%増の76万7725台と16カ月ぶりのプラス。特に為替の円安などを受けた輸出向けが好調だった。
輸出総数は5.2%増の39万51台と2カ月連続の増だった。北米向けの小型車「フィット」の輸出を本格化したホンダは輸出台数が約4倍の1万1118台、多目的スポーツ車(SUV)の「ローグ(日本名エクストレイル)」などの輸出が多い日産自も14.9%増だった。
一方、国内販売は4.1%減の34万9137台と10カ月連続の減となった。消費増税のほか今年4月からの軽自動車増税の影響で販売低迷が続く。スズキ(7269)の国内販売は12.4%減、マツダも小型車「デミオ」の新車効果が一巡し12.4%減だった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕