政府・与党は9日、国立大学法人などへの個人の寄付を促すため、税額控除制度を2016年度に創設する方針を決めた。寄付額の約4割を個人が支払う所得税額から差し引ける仕組みで、寄付を学生の修学支援事業にあてていることを条件とする。米国の大学などに比べて遅れる民間資金の活用を後押しする。
16年度与党税制改正大綱に盛り込む。政府が力を入れる国立大改革の一環だ。
国立大への寄付には現在、寄付額を課税所得から差し引く所得控除制度がある。例えば年収700万円の世帯の個人が1万円を寄付すれば、軽減される所得税額は800円。新制度では税額控除を選択でき、その場合の控除額は3200円と4倍に増える。控除額は寄付額から2000円を引いた額の4割とする。
個人の寄付に関連する税負担を軽くすることで、10万円以下の小口の寄付を幅広く集めやすくなるとみる。税額控除はすでに私立大向けには導入しており、13年度の寄付収入が231億円と導入前の09年度に比べて倍増している。