2016年3月26日に開業する北海道新幹線の3つの新駅が13日までに相次ぎ一般公開された。12日は本州最北端の奥津軽いまべつ駅(青森県今別町)、13日には木古内駅(北海道木古内町)と始発・終着の新函館北斗駅(同北斗市)で地元住民らが真新しい駅舎を見学。開業まで100日余りに迫り、多くの機器類の取り付け作業が進み、準備が整いつつある。
新幹線木古内駅のコンコースで伝統芸能の「みそぎ太鼓」が披露された
13日午前、本州から青函トンネルをくぐり抜けてきた新幹線が最初に停車する木古内駅で地元関係者や住民らの見学会が行われた。新幹線新駅の駅長に就任する及川孝氏は「北海道の玄関口である駅。おもてなしの心で道内外、外国人の観光客を迎えたい」と抱負を語った。
駅舎の外壁には縦方向に多数の凹凸が配されている。浜辺に寄せては返す波や、たくましく生きる木々や人々をイメージした。駅コンコースの天井には道南スギを組み合わせ、津軽海峡の波をイメージした立体感のある形状に仕上げたという。
見学会では地元の伝統芸能のグループが「みそぎ太鼓」の演奏を披露。迫力ある演奏に見学者は熱心に見入っていた。20歳代の男性見学者は「道南スギを使った天井で暖かみを感じる。開業したら利用したい」と話す。
北斗市の新函館北斗駅(現渡島大野駅)も13日に一般公開された。駅舎はガラス張りでシャープな外観。駅舎内の3本の大きな白い柱が遠くからもはっきりと見える。天井には道南スギを多用したほか、柱はポプラ並木をイメージして北海道の雰囲気を前面に出した。
新函館北斗駅の外観(北斗市)
2階の新幹線改札口にはすでに自動改札機も取り付けられている。構内では新幹線と在来線のホームが隣接し、新幹線の一部ホームからは階段を使わずに、函館駅と結ぶ「はこだてライナー」や札幌とを結ぶ特急に乗り換えることができる。開業時には中国語や英語が堪能な駅員5人を配置。増加が見込まれる外国人観光客を迎える。
北斗市のアンテナショップ「ほっとマルシェおがーる」も併設。床面積100平方メートルで500品目の道南の特産品を販売する。
本州側唯一の新駅である奥津軽いまべつ駅では1日早く12日、見学会が開かれた。今別町民のほか、青森県内外から合計約410人が訪れ、ほぼ完成した駅舎やホームのあちこちで記念撮影する姿が見られた。
同駅は高さ約25メートルの塔屋と、在来線をまたいで改札口と結ぶ長さ約50メートルの橋が特徴。塔屋上部のアーチ型デザインは青函トンネルの入り口をイメージしたという。改札口を入った正面は青森県の木であるヒバの壁を透明のガラスで覆った構造。12日はこの壁の前で、男女がペアになって踊る今別町の伝統芸能「荒馬」が見学者に披露された。
見学に訪れた今別町在住の男性(78)は「初めて駅に入ったが、とても立派で驚いた。早くこの駅から新幹線に乗ってみたい」と話した。