事件が起きた現場付近。何が起きたのかと足を止める通行人らで混み合った=2日夕、大阪市天王寺区、寺尾佳恵撮影
2日午後5時半ごろ、大阪市天王寺区のJR天王寺駅の駅員から「バットを振り回す人がいる」と119番通報があった。大阪府警によると改札近くで、幼稚園に通う同区の女児(6)と同市平野区の女性(22)がバットで殴られた。女児は頭の骨が折れる重傷、女性も頭と手に約2週間のけがをした。府警は近くにいた同市東淀川区の無職松本将史(まさふみ)容疑者(41)を傷害容疑で現行犯逮捕した。
天王寺署によると、逮捕容疑は、女児を長さ約80センチの金属バットで殴り、負傷させたというもの。女児は頭部を2回、女性は額と手を1回ずつ殴られた。通行人に取り押さえられた松本容疑者は「目が合ってにらんできたから殴った」と容疑を認め、「バットはバッティングセンターに行こうと思って買ったばかりだった」と供述。バットはポリ袋に入った状態だったという。府警は3人に面識はなかったとみている。
現場は駅の中央口改札前のエスカレーター付近。会社や学校帰りの人たちでごった返し、騒然とした雰囲気になった。女児が「痛い、痛い」と泣いているのを見たという男子高校生は「人通りの多い場所で事件が起きて怖い。被害者の傷が早く治ればいい」。大阪府寝屋川市の専門学校生宮畑慎之介さん(19)は、赤いジャンパー姿の男がスーツ姿の男性数人に取り押さえられたのを目撃。「女の子と女性はタオルで頭を押さえられて運ばれており、驚いた」と話した。