14日の東京外国為替市場で円相場は反発した。17時時点は1ドル=121円28~31銭と前週末の同時点に比べ64銭の円高・ドル安だった。早朝には120円63銭近辺まで上昇した。原油安などで投資家が運用リスクを回避するため株安傾向が続くのではないかとの思惑から、「低リスク」の円は買いが先行した。日経平均株価の下げ幅が一時600円を超えた場面で円買いが増えた。
午後になると円は伸び悩んだ。日経平均が下げ渋り、持ち高整理の円売り・ドル買いが出た。「国内の大手機関投資家がドル建て資産の運用比率を保つ目的で円売り・ドル買いに傾いた」との指摘もあった。中値決済に伴う国内輸入企業の円売りや、外為証拠金(FX)投資家による相場の流れに逆らう「逆張り」の円売り・ドル買いも出た。
日銀が発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)は「日銀に直ちに緩和を促す内容ではない」(国内証券)との声が多かった。このため特に取引材料にはならなかった。9~17時の円の高値は1ドル=120円72銭近辺、安値は121円35銭近辺で値幅は63銭程度だった。
円は対ユーロでは3日続伸した。17時時点は1ユーロ=132円90~93銭と前週末17時時点に比べ63銭の円高・ユーロ安だった。対ドルの円高や日経平均の下落が円買い・ユーロ売りを招いた。
ユーロは対ドルで小幅に反発した。17時時点は1ユーロ=1.0957~60ドルと、同0.0005ドルのユーロ高・ドル安だった。一部の投資家がリスクを避ける目的でユーロの売り持ち高を減らした。対ドルで円が伸び悩むとユーロ売り・ドル買いも出た。〔日経QUICKニュース(NQN)〕