【ニューヨーク=平野麻理子】日本政治研究の第一人者として知られる米コロンビア大のジェラルド・カーティス教授が年内で退任する。8日に最終講義を終えた。17日には「日本は復活したか?」と題した討論会を開き、150人あまりの聴衆が集まった。
カーティス氏は討論会で「官邸に権力が集中しすぎており、自民党や官僚機構による健全な意味での『チェック・アンド・バランス』が働かず、民主主義の危機にある」と主張。安倍政権が相対的に高い支持率を維持しているのは「彼に人気があるというより他に任せるべき人がいないからだ」とも分析した。
自民党については「政治家の教育システムが崩壊してしまい、若手の政治家には『本当の政治家の匂い』がしない」と語った。カーティス氏は教授を退任した後も研究や執筆は続ける。