【NQNニューヨーク=神能淳志】18日のニューヨーク外国為替市場で円相場は5営業日ぶりに大きく反発した。前日比1円35銭の円高・ドル安の1ドル=121円15~25銭で終えた。日銀の金融政策決定会合後に市場が混乱して円高・ドル安が進んだ流れを継いだ。原油安を背景に米株式相場が大きく下げ、円相場を支えた。
朝方から円買い・ドル売りが広がった。日銀は18日まで開いた会合でいまの量的・質的金融緩和を補う措置を決めた。発表直後は追加の金融緩和と受け止められて急速な円安が進んだが、追加緩和ではないとの見方が浸透するにつれて円買いが活発になった東京市場の流れを受けた。
ニューヨーク原油先物相場は一時1バレル34.29ドルと2009年2月以来およそ6年10カ月ぶりの安値を更新した。米ダウ工業株30種平均も取引終了にかけて下げの勢いを強めて367ドル安と大きく下げた。投資家心理が悪化し、低リスクとされる円を買う動きが活発になった。
ただ、ニューヨーク市場では円の上値も限られた。円相場は欧州時間帯に一時121円07銭前後と、18日の東京市場でつけた安値(123円59銭)から2円50銭近くも上げた。円の高値圏では持ち高調整を目的とした売りも出やすく、相場の重荷となった。
ニューヨーク市場での円の高値は121円15銭、安値は121円76銭で値幅は61銭にとどまった。
円は対ユーロで続伸し、前日比95銭の円高・ユーロ安の1ユーロ=131円70~80銭で終えた。日銀の決定会合後に日本市場が混乱し、対ユーロでも円を買う動きが活発になった。
ユーロは対ドルで4日ぶりに反発した。前日比0.0045ドル高い1ユーロ=1.0865~75ドルで終えた。米株式相場が大きく下げたため、ドルに対して相対的に金利の低いユーロを買い戻す動きが加速した。
ユーロの高値は1.0874ドル、安値は1.0809ドルだった。