車両に後退や接近を知らせる警報音装置が付いている場合、使用を義務付ける徳島県の条例が21日の県議会本会議で全会一致で可決、成立した。10月に全盲の男性と盲導犬がバックしてきたトラックにひかれ死亡した徳島市での事故を受けた条例化で、県によると使用の義務付けは全国初。
成立したのは「障がいのある人もない人も暮らしやすい徳島づくり条例」。後退時のほか、ハイブリッド車(HV)が人工音を出して周囲に接近を知らせる「車両接近通報装置」も想定。罰則規定はなく、装置の設置義務化は見送った。
徳島市の事故は10月3日に発生した。歩いて通勤中のマッサージ師、山橋衛二さん(50)が市道で、バックしてきた2トントラックにはねられ死亡し、一緒にいた盲導犬も犠牲になった。トラックは警報装置のスイッチを切っていたため、警報音が鳴らなかった。
県によると、警報装置は多くのトラックに設置されているが、夜間には騒音になるとして使用を控えるケースがある。
徳島県の飯泉嘉門知事は事故後、警報装置の設置や使用を義務付ける法整備を求める提言書を国土交通省や警察庁に提出した。
〔共同〕