腰に覚醒剤が入ったポリ袋を巻き付けた容疑者=大阪税関関西空港支署提供
覚醒剤約4キロ(末端価格約2億7700万円)を密輸したとして、大阪府警は13日、いずれも台湾籍の陳楠賑容疑者(32)と鄭志男容疑者(52)を覚醒剤取締法違反(営利目的輸入)の疑いで緊急逮捕し、送検したと発表した。2人は「台湾の知人から『日本に持っていってくれ』と頼まれた」と供述し、報酬は72万円と90万円と話しているという。
薬物対策課と大阪税関関西空港支署によると、2人の男は昨年12月24日、台湾から旅客機で関西空港に到着。腰と太もも、ふくらはぎに覚醒剤入りのポリ袋計27個を粘着テープなどで巻き付けて服で隠し、密輸した疑いがある。昨年、関空に人が持ち込んだ覚醒剤の摘発量としては最多という。
関空では同月15日にも、台湾籍の男が同様の手口で覚醒剤を密輸した事件があり、税関が警戒を強めていた。陳容疑者のスーツケースの中身を確認した際、服がはみ出たまま大急ぎでその場を去ろうとしたため、身体検査して発覚した。鄭容疑者のケースは衣類ばかり入っており、旅行用品がほとんどなかったため、職員が疑問を抱いたという。
2人は同月上旬にも日本に入国したといい、府警はさらに渡航目的などを調べている。
大阪地検は今月13日、2人を同法違反の罪で起訴した。