政府は21日、「子どもの貧困対策会議」を持ち回りで開き、児童虐待防止策と経済的に厳しいひとり親家庭などの自立支援策を盛り込んだ「すべての子どもの安心と希望の実現プロジェクト」を決定した。来年1月4日召集の通常国会に、児童福祉法などの改正案と児童扶養手当法改正案の提出を目指す。
妊娠から子育てまで相談に応じる「子育て世代包括支援センター」を2020年度末までに全国展開する。法改正で児童相談所の調査権限強化や、都道府県が臨検・捜索する際の手続きの簡素化も目指す。
厚生労働省によると、全国の児童相談所が2014年度に対応した児童虐待の件数は前年度比20.5%増の8万8931件(速報値)と過去最多だった。1990年度の集計開始以来、8万件を初めて突破するなど深刻な状況が続いている。