【ブリュッセル=共同】ベルギー首都ブリュッセルの行政当局は30日、テロの危険があるとして、新年恒例の打ち上げ花火を中止することを決めた。管轄するイバン・マヨール区長が公共放送RTBFで明らかにした。
マヨール氏は前回に約10万人が集まった花火がテロの標的となる恐れを指摘。「全員をチェックできない」と述べ、ヤンボン内相とも協議し決めたと説明した。ミシェル首相は「正当な決断だ」と支持した。
またベルギー検察は31日、パリ同時多発テロの捜査で警察が30日にブリュッセル首都圏モレンベークで家宅捜索を行い、ベルギー人の男1人を31日に逮捕したと発表した。同テロに絡むベルギーでの逮捕者は10人目。
容疑者は1993年生まれの「アユブ・B」とされ、家宅捜索で携帯電話約10個が押収された。
ブリュッセル首都圏ではパリ同時多発テロ後の11月下旬、テロの差し迫った脅威があるとして、警戒水準が4段階の最高に一時引き上げられた。その後も国内全土について「脅威があり得る」として上から2番目の水準を維持。首都で年末にテロを起こす計画を立てていた疑いがあるとして男2人が今週逮捕された。
ブリュッセル中心部で元日午前0時から行われる花火は新年の風物詩。テロの懸念を背景に中心部のレストランでは大みそかの予約が極めて少ないなどと伝えられており、花火の中止で人出は一層少なくなりそうだ。