【ソウル=加藤宏一】韓国軍は8日正午、南北軍事境界線付近で拡声器を使った宣伝放送を再開した。11年ぶりに実施した昨年8月には北朝鮮が強く反発して「準戦時状態」を宣言した経緯がある。体制批判を含む宣伝放送への北朝鮮の拒否感は非常に強く、軍事的な緊張が高まりそうだ。
聯合ニュースによると、韓国軍は拡声器を設置する周辺地域で警戒態勢を最高レベルに引き上げた。拡声器は境界線付近の約10カ所に設置され、放送は夜間で約24キロ、昼で約10キロ離れた場所まで届くとされている。放送は韓国のニュースや経済発展の状況、北朝鮮の体制などを批判する内容が含まれるという。