■マレーシア政府 1月15日から3カ月間、ボーキサイトの採掘を停止する。中国などに輸出され、アルミニウムの原材料として使われるが、環境汚染に対する市民の激しい批判を受け、採掘を認めないことにした。
マレーシアは天然ガスやパーム油で知られるが、マレーシア半島東部のパハン州で赤いアルミニウム鉱石の粉末であるボーキサイトが大量に埋蔵されているのが発見され、最近採掘量が増えていた。
ボーキサイトは、インドネシアが輸出を禁止し、もう一つの主要輸出国であるインドも関税を引き上げたため、中国を中心にマレーシアからの輸入需要が急増していた。
国際貿易センター(ITC)によると、マレーシアから中国へのアルミニウム鉱石の輸出は2015年1~8月で5億6900万ドル(約675億円)と前年の3900万ドルから急増し、同国はオーストラリアに次ぐ第2位の輸出国となった。
ボーキサイトの大部分は地下数メートルにあり、輸出するのにパハン州の州都クアンタンの港まで簡単に輸送できる。しかし、採掘から貯蔵、輸送までの管理がずさんで、深刻な大気汚染や水質汚染を引き起こした。政府によると「体に有害」とする水準のアルミニウムと水銀が河川や港周辺の海で確認されているという。(クアラルンプール=CK・タン)