20日の東京外国為替市場で円相場は大幅に反発した。17時時点は1ドル=116円71~73銭と、前日19日の同時点に比べて1円19銭の円高・ドル安だった。16時すぎに116円40銭近辺と2015年8月24日以来、約5カ月ぶりの高値を付けた。止まらない原油安と日経平均株価の下落で投資家のリスク回避姿勢が強まり、「低リスク通貨」とされる円の買いが膨らんだ。116円50~60銭近辺では損失覚悟の円買い・ドル売り注文を巻き込み、円の上昇ペースが加速した。
リスク回避の円買いはオーストラリア(豪)ドルなど他の通貨に対しても進み、円高・米ドル安に波及した。中国人民銀行(中央銀行)は日本時間10時15分ごろ、人民元の対米ドル基準値を前営業日比で元高・ドル安方向に設定した。だが、小幅な変更だったため外為市場では材料にはならなかった。「香港ドルの下落が続いており、中国経済圏からの資金流出が引き続き意識されてリスク敬遠のムードを高めた」(国内証券)との指摘があった。
菅義偉官房長官が20日午後の記者会見で、株安について「政府・日銀はしっかりと連携しながら注視する」などと述べたが、反応は特になかった。9~17時の円の安値は1ドル=117円56銭近辺で値幅は1円16銭程度と大きかった。
円はユーロに対しても反発した。17時時点は1ユーロ=127円73~77銭と前日17時時点に比べて36銭の円高・ユーロ安だった。リスクを避ける目的の円買いが入った。
ユーロは対ドルで反発した。17時時点では1ユーロ=1.0943~47ドルと同0.0079ドルのユーロ高・ドル安だった。株安でリスクをとりにくくなった投資家がユーロの売り持ち高を減らそうとユーロ買いに動いた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕