政府は20日発表した1月の月例経済報告で、景気の先行きについて「金融資本市場の変動の影響に留意が必要」との表現を加えた。年初から株式相場や原油先物価格の下落が続いており、実体経済への影響を慎重に見極めていく姿勢を示した。
景気の基調判断については「このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」とし、3カ月連続で据え置いた。主要項目のうち、個人消費は「総じてみれば底堅い」との表現を維持した。最近発表された経済指標のうち、2015年11月の実質消費支出は減ったが、同12月の消費者心理を示す指数は小幅ながら上向いていた。
生産の判断は「このところ横ばいとなっている」とし、前月の「このところ弱含んでいる」から10カ月ぶりに判断を引き上げた。直近公表の11月の鉱工業生産は前月比で低下したが、3カ月程度でならせば生産は一進一退の状況にあるとした。自動車関連の在庫調整が進んでいることも反映した。
貿易・サービス収支について「赤字は減少傾向にある」とし、前月の「赤字はおおむね横ばいとなっている」から7カ月ぶりに表現を変更した。原油安で輸入額が減ってきている状況を映した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕