教科書謝礼問題で東京書籍は22日、東京都内の本社で記者会見を開き、川畑慈範会長が「教科書採択の公正性、透明性に疑念を生じさせ、教科書全体の信頼を損なわせた。深くおわび申し上げます」と謝罪した。
会見での説明によると、営業担当者らが教員を招き、検定中の教科書を見せて意見を聞く会合は2003年ごろから度々開いていた。渡辺能理夫常務は「(会合の狙いは)情報収集して商品の質を高めるためで、謝礼は採択を直接の目的にしていない」と釈明した。
経営陣も検定中の教科書を見せていることを知っていたといい、渡辺常務は「ルール違反を承知しながら安易な道を選んでしまい、そういう実態が社内にまん延していた」と話した。
再発防止策や経営陣も含めた社内処分については、文部科学省の指導や外部の第三者による調査を経て決める。
一方、教科書協会の佐々木秀樹会長(日本文教出版社長)は22日、「痛恨の極みで、国民の期待を裏切ることになったことを深くおわびする。公正性確保の仕組みを策定し、順守を各発行者に徹底させる」とするコメントを発表した。