カタカナのポスターが貼られた教室で真剣に授業を受ける日本語学校の生徒たち。こうした授業が成立しない悪質な学校もある=20日、福岡市、岡田玄撮影
外国人留学生に日本語を教える「日本語学校」が急増している。法務省入国管理局のまとめでは、2月20日付で605校と過去最高だった。だが、定期的に学校の「教育の質」を管理する機関はなく、各地で学校経営者が逮捕されるなど問題も相次いでいる。
授業は教科書を読みあげるだけ。試験でカンニングが横行し、教師は注意もしない。福岡市内の日本語学校に通うアジアからの20代の留学生は、「ここは学校とはいえない」と話す。大学進学を目指して来日した。年70万円近い授業料を払ったが、このままでは無理だと考え、日本人を雇って日本語を学んでいる。この学校の関係者は「教職員が次々と辞め、授業は成立しない状態だった」と打ち明ける。基礎的な日本語を教える教育機関が「日本語学校」と認められるには、教員数や1クラス20人以下などの基準を満たす必要がある。だが、この学校では教員不足も起きていた。
全国の日本語学校数は、380校だった2007年以降、右肩上がりだ。政府は08年に「留学生30万人計画」を策定。企業の参入も相次ぎ、過去最高の605校(4月開校分を含む)に達した。専門家によると近年は「1980年代以来の設立ブーム」という。同時に、悪質な学校が各地で問題となっている。
日本語学校生は「留学」の在留…