文部科学相の諮問機関「教科用図書検定調査審議会」は23日、英語の教科書を音声化した教材について、小学校の教科書検定がある2018年度以降、チェックすることを盛り込んだ論点整理案を示した。教科書検定の対象は紙に限られており、同省は教科書検定基準とは別にガイドラインを定めることも検討する。
英語で「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能育成が求められていることや、「教科」になる小学校英語で、音声教材の必要性が指摘されていることを踏まえた。案では、教科書会社が英語の音声を聞けるよう各社のウェブサイトに掲載した場合、掲載場所を示すURLやQRコードについて「積極的な記載を許容する」とした。その上で音声化された情報は教科書そのものでないことを踏まえつつ「現実的に可能なチェックのあり方を検討することが必要」としている。
具体的には、教科書会社が検定申請時、音声を保存した記録媒体も提出。流暢(りゅうちょう)さや正確さを逐一チェックするのではなく、音声が教科書の内容に沿っているかを審査する、とした。音声に特化して確認を行う専門家に、新たに委嘱するなどの態勢作りも求めている。
案ではこのほか、検定中の教科書を見せて意見を聞いた謝礼などとして教員らに金品などを贈る行為に対しても言及。不正行為が確認された場合、次の検定では審査せずに不合格とすることが考えられるとした。