【NQNニューヨーク=内山佑輔】22日のニューヨーク外国為替市場で円相場は大幅に続落した。前日比1円10銭の円安・ドル高の1ドル=118円75~85銭で取引を終えた。原油先物相場の上昇や米株高を受けて、相対的に金利水準の低い円には売りが膨らんだ。一時118円88銭と1月6日以来およそ2週ぶりの円安・ドル高水準を付けた。
ニューヨーク原油先物相場は買い戻しが広がり、前日から9%上昇した。米ダウ工業株30種平均も欧州中央銀行(ECB)による追加の金融緩和観測などを背景に前日比210ドル高となった。投資家心理が改善して運用リスクをとりやすくなるとの見方が強まるなか、低リスクとされる円が売られやすかった。
相場環境の改善で安全資産とされる米国債には売りが増え、米10年物国債の利回りが上昇(価格は下落)した。日米の金利差拡大を見込んだ円売り・ドル買いも出た。
午前に発表された2015年12月の米中古住宅販売件数は前月比14.7%増と市場予想を上回った。米景気の先行きに対する見方が改善し、ドル買いが増えた面もあった。
この日の円の高値は117円86銭だった。
円は対ユーロでも続落し、前日比30銭の円安・ユーロ高の1ユーロ=128円20~30銭で取引を終えた。運用リスクをとる動きが広がり、ユーロに対しても低リスクとされる円の売りが優勢だった。
ユーロは対ドルで4日続落した。前日比0.0080ドル安い1ユーロ=1.0790~0800ドルで取引を終えた。世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席したドラギECB総裁が22日、追加緩和の可能性に改めて言及した。市場の期待が一段と高まり、ユーロ売り・ドル買いが膨らんだ。
ユーロの安値は1.0789ドル、高値は1.0838ドルだった。