ハンセン病患者の裁判が、国立療養所などに設けられた「特別法廷」で開かれていた問題を検証する最高裁の有識者委員会(座長・井上英夫金沢大名誉教授)は25日、群馬県草津町の国立療養所栗生楽泉園を視察した。
委員5人と最高裁の調査チームが参加。全国で唯一の懲罰施設として存在した「重監房」の資料館や、園内の納骨堂などを見て回り、職員から説明を受けた。
園では過去に3事件の特別法廷が開かれたという。会場に使われたとされる建物「青年会館」も現存しており、委員らは中に入ると、写真を撮ったり歩き回ったりしていた。井上座長は「当時の雰囲気を肌で感じられて非常に良い機会だった。意見集約の参考にしたい」と話した。
有識者委は2月29日には国立療養所菊池恵楓園(熊本県合志市)を視察し、在園者らへの聞き取りも行う。3月末に意見を取りまとめる予定。
最高裁はこの意見を踏まえ、調査結果を公表する。事実上非公開の特別法廷は1948~72年に95件開かれており、最高裁は当時の判断の妥当性を2014年5月から調査している。〔共同〕