【ソウル=小倉健太郎】日本や米国東部を襲った記録的な寒波はアジアの各地でも混乱を引き起こしている。
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寒波で登山者の服が氷で覆われた(香港)=ロイター
朝鮮半島と九州の間にある韓国済州島の空港は23日夕方から雪と強風で離着陸ができなくなった。25日午後に統制が解除されるまで多くの観光客などが足止めされ、空港ではホテルの手配を巡って旅行客が航空会社に詰め寄る場面もあったという。運航再開後、臨時便によるピストン輸送が始まったが欠航による影響は26日も残る見通しだ。
朴槿恵(パク・クネ)大統領は25日の内部会議で済州島の空港トラブルにも言及しながら「国民の安全と高齢者や子供らの健康に注意してほしい」と関係各部署に指示した。ソウルでは寒波警報が5年ぶりに発令された。聯合ニュースによるとソウルの気温は24日朝にセ氏零下18度と2001年以来の寒さを記録した。25日も零下14度まで下がり、体感温度が零下20度を下回る状態になる場合もあって韓国メディアは「モスクワより寒い」などと報じている。
寒波による気温低下の影響で心筋梗塞などによる死者が発生した台湾では、一部事業所が営業を休止したほか、小学校などで休校も相次いだ。大雪を受けた交通統制により観光地で身動きができなくなるケースも出たという。
香港では24日、957メートルと地元最高峰の大帽山に59年ぶりの寒波でできたという霜を見に来たハイカーら80人以上が低体温症などになり、救助された。山頂は零下6度だったといい、1人は重症。消防当局は登山しないよう市民に呼びかけた。