【NQNニューヨーク=横内理恵】27日の米株式相場は反落した。ダウ工業株30種平均は前日比222ドル77セント(1.4%)安の1万5944ドル46セント、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は同99.506ポイント(2.2%)安の4468.167で終えた。アップル、ボーイングなど四半期決算を発表した銘柄をはじめ、企業業績の不透明感から売りが膨らんだ。
米連邦準備理事会(FRB)はこの日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)声明に「世界景気や金融環境の進展を念入りに注視する」との文言を加えた。景気に配慮した声明だったとの評価が聞かれた一方、3月のFOMCでの利上げ観測を後退させるほどの内容ではなかったとの受け止めがあり、FOMC後は売りが優勢になった。
前日夕に発表した決算で主力のスマートフォン(スマホ)「iPhone(アイフォーン)」の販売が鈍ったことが嫌気されたアップルが約6%安。朝方発表の決算と併せて公表した2016年12月期通期の業績見通しが慎重と受け止められた航空機のボーイングはほぼ9%安だった。2銘柄でダウ平均を120ドル程度押し下げた。
ドル高が想定以上に輸出企業の業績を圧迫していることが明らかになった。業績回復が遅れるとの見方もあり、幅広い銘柄に売りが出た。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)では、「IT(情報技術)」「一般消費財・サービス」など8業種が下落。「電気通信サービス」などが上げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約11億3000万株(速報)。ナスダック市場は約20億5000万株(同)だった。
ダウ平均では化学のデュポンやスポーツ衣料のナイキが下げた。
一方、1株利益が市場予想を上回った機械・航空関連複合企業のユナイテッド・テクノロジーズは小幅高。決算が大幅増収だったバイオ製薬のバイオジェンも高い。