【ニューヨーク=中西豊紀】米フォード・モーターが28日発表した2015年12月期決算は、純利益が前年の6倍となる73億7300万ドル(約8750億円)だった。主力ピックアップトラック「F150」など大型車の販売が好調な北米がけん引したほか、アジアでも収益を伸ばした。赤字が続いていた欧州は11年以来初の黒字に転じた。
16年通期の収益見通しについては15年通期と「同等かそれを上回る程度」とした。中国の景気減速が懸念されるアジアでも増益を予想している。
南米の税引き前損益は8億3200万ドルの赤字。赤字幅は前年より3割近く減ったが、ブラジル景気の減速などを受け販売低迷が続いており、引き続き経営の課題となっている。欧州ではバンの「トランジット」などの販売が伸び、税引き前損益が2億5900万ドルの黒字となった。
北米の税引き前利益は26%増の93億4500万ドルだった。好調な業績を受け、フォードは米国工場で働く従業員に平均9300ドル相当のボーナスを支払う。同社は昨年末に賃上げで労使合意していた。