関西電力は30日午前6時、再稼働した高浜原子力発電所3号機(福井県)で核分裂が安定して続く「臨界」に達したと発表した。29日午後5時に核分裂反応を抑える制御棒を引き抜き、原子炉を起動していた。冷却水のホウ素濃度を少しずつ薄めて核分裂の連鎖を増やし、予定通り再稼働から13時間後に臨界を迎えた。
関電は週明けに発電タービンを最終検査し、動作確認をする。2月1日午後に発電と送電を始めて徐々に出力を上げ、4日にフル稼働する。原子力規制委員会の最終検査を経て、2月下旬に営業運転を再開する予定だ。
高浜4号機には31日に原子炉に核燃料を入れる。2月下旬に再稼働し、3月下旬に営業運転を始める計画だ。高浜3、4号機が再稼働すれば関電の営業利益を年1200億円押し上げる。関電は再稼働で得る利益の一部を値下げの原資に充てる。4月に電気料金を引き下げる価格改定を政府に届け出る方針だ。