【NQNニューヨーク=横内理恵】8日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反発し、前週末比1円5銭円高・ドル安の1ドル=115円80~90銭で取引を終えた。原油先物や米欧株式相場の下落を受けて投資家が運用リスクを避ける姿勢を強めたため、金利水準が低い円に買いが入りやすかった。一時は115円17銭と2014年11月12日以来、ほぼ1年3カ月ぶりの円高水準を付けた。
ダウ工業株30種平均の下げ幅が400ドルを超える場面があった。欧州銀行株の下げが加速し、米銀行株にも下げが波及。銀行株の下げは金融システムに対する不透明感を連想させるだけに投資家心理を冷やしたという。株式相場の先安観が意識され、円の買いを誘った。
原油や株安を受けて安全資産である米国債に買いが集まり、米10年債利回りが1.73%と約1年ぶりの水準に低下した。米金利低下も円買い・ドル売りを誘った。
米株式相場が下げ幅を縮小して終えたため、円も伸び悩んで終えた。
この日の円の安値は116円51銭だった。
円は対ユーロで続伸し、前週末比75銭円高・ユーロ安の1ユーロ=129円60~70銭で取引を終えた。米欧株式相場が大きく下げ、リスク回避目的で対ユーロでも低金利の円が買われた。
ユーロは対ドルで反発し、前週末比0.0035ドル高い1ユーロ=1.1185~95ドルで終えた。投資家が運用リスクを取りにくくなり、対ドルで相対的に金利の低いユーロが買われた。
この日のユーロの高値は1.1216ドル、安値は1.1087ドルだった。