日銀の原田泰審議委員は13日、山口県下関市で講演し、1月に導入を決めたマイナス金利政策について、「所期の効果を発揮している」と述べた。金利の一段の低下を通じて経済に前向きな効果を及ぼしているとの見方を示した。物価低迷については「原油価格が下落しているためで、安定すれば物価は上がっていく」と語った。
マイナス金利政策の効果について、短期から長期まで幅広い期間の国債の利回りが低下していると説明した。「予想物価上昇率が動いていないとしても(名目金利から物価上昇率を差し引いた)実質金利を低下させ、経済を好転させるはずだ」と語った。
日銀は2%の物価上昇を目指しているが、生鮮食品を除く消費者物価指数は2月が前年同月比横ばいとなっている。原田氏は「エネルギーと生鮮を除いた物価でみると着実に上昇している」と指摘。雇用情勢の回復基調も続いているとした。
新興国経済の一層の減速などのリスクが顕在化すれば「躊躇(ちゅうちょ)なく追加の金融緩和をおこなうことが必要だ」との認識を示した。