長崎市の田上(たうえ)富久市長は13日、東京の米国大使館を訪れ、5月の主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)で来日するオバマ大統領に長崎訪問を要請する文書をキャロライン・ケネディ大使に渡した。オバマ氏の広島訪問については、米政権が前向きに検討しているとされる。
オバマ氏の広島訪問、前向きに検討 大統領報道官示唆
要請文は「広島訪問と同時に長崎訪問が実現するよう、心から願っております」「核兵器廃絶へのゆるぎない決意を被爆地長崎から世界へ発信していただきたいと願っています」との内容。市によると、田上市長から文書を受け取ったケネディ大使は「何度も被爆地へ招待いただいていることはありがたく、重要なこと。真剣に検討すべきで、本国に確実に伝える」と応じたという。
市によると、田上市長ら市幹部が米大使館で被爆地訪問を直接要請するのは、2009年以降6回目。
今月11日、G7外相会合で広島を訪れたケリー米国務長官は、現職の国務長官として初めて原爆ドームなどを訪れた。ケリー氏は会見で、米大統領を含む「すべての人が広島を訪れるべきだ」と述べた。(力丸祥子)