益城町役場に避難した人たち=15日午前0時53分、熊本県益城町、小宮路勝撮影
14日午後9時26分ごろ、熊本県を震源とする最大震度7の強い地震が発生した。気象庁によると、震度7を観測したのは熊本県益城町(ましきまち)。熊本県によると、この地震で2人が死亡、1人が心肺停止という。午後10時7分ごろにも同町で震度6弱、翌15日午前0時3分ごろには同県宇城市で震度6強の地震を観測した。気象庁によると、震度7の地震は2011年3月11日の東日本大震災以来で、通算で4回目となる。
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気象庁の説明によると、震源の深さは約11キロで、地震の規模を示すマグニチュード(M)は6・5と推定される。震源は二つの断層が交わる場所で、南北方向に引っ張られる横ずれ断層型の地震とみられる。今後1週間程度、震度6弱の余震が発生する可能性があるとしている。
熊本県の蒲島郁夫知事は益城町への自衛隊派遣を要請した。
熊本赤十字病院によると、地震で1人が死亡したほか、88人がけがをし、うち重傷が7人という。熊本県警によると、益城町を中心に県内では家屋の倒壊が相次ぎ、約100人がけがを負って病院に運ばれた。警察庁によると、益城町に被害が集中している。15日午前0時20分現在、熊本県内では地震による重傷者が1人、生き埋めが11件、110番通報が590件あった。
14日午後11時前の警察庁の発表では、家屋の倒壊が19件。「倒壊した家屋で5人が下敷きになっている」「老人2人が下敷きになった」などの通報があったという。
消防庁によると、15日午前0時40分現在、益城町で8人が不明になっている。
益城町の益城西原消防署によると「家から火が出ている」という通報が町内各地から相次いでおり、全ての消防車が出動しているという。益城町保健福祉センターによると、けがをした人や自宅が壊れた人など約200人が同センターに避難してきている。町内の小学校にも約100人が避難しているという。
地震発生直後から九州新幹線は博多―鹿児島中央間の全線で運転を見合わせた。国土交通省によると、九州新幹線の回送列車1編成が脱線。JR熊本駅から近くの車庫に向かう途中で、運転士と車掌が乗務していたが、けが人はいないという。
全日本空輸と日本航空は、地震発生当時、すでに熊本空港を発着する便は運航を終了。日航の空港施設には被害がないという。
震度5弱以上が観測された市町村は以下の通り(いずれも熊本県)。
震度7 益城町▽震度6弱 玉名市、西原村、宇城市、熊本市東区、熊本市西区、熊本市南区▽震度5強 菊池市、宇土市、大津町、菊陽町、御船町、美里町、山都町、氷川町、合志市、熊本市中央区、熊本市北区▽震度5弱 高森町、阿蘇市、南阿蘇村、八代市、長洲町、甲佐町、和水町、上天草市、天草市