ダイコンの花で畑に描かれた「生」の文字=14日午後、兵庫県尼崎市、朝日新聞社ヘリから、遠藤真梨撮影
JR宝塚線(福知山線)が脱線し、107人が亡くなった兵庫県尼崎市の事故現場近くの畑に、ダイコンの白い花で描かれた「生」と「命」の文字が浮かび上がった。今月25日、事故から11年になる。
JR宝塚線脱線事故11年
犠牲者を追悼するため、地元農家の松本三千男(みちお)さん(80)が2009年に現場の南西の畑で「命」を描き始めた。その取り組みに知人の萩本啓文(ひろふみ)さん(62)が共感。昨年から現場北側の畑にも「生」の花が咲くようになった。
事故は通勤・通学者で混み合う朝のラッシュ時に起きた。萩本さんは「誰が命を落としても不思議じゃない事故だった。残された我々が精いっぱい生きることが、亡くなった人の命を弔うことになるという思いを『生』の字に込めた」と話していた。(宮武努)