熊本地震の主な被害
熊本県を中心に相次いでいる地震で、警察は17日、同県南阿蘇村で安否確認のできない人が10人前後いることを明らかにした。家屋が倒壊した現場などでは捜索が行われ、同村では1人が心肺停止状態で見つかり、その後、死亡が確認された。揺れの大きな余震も続いており、県内では約11万人が避難生活を余儀なくされている。17日午後9時50分までに県内で確認された死者は42人、重傷者は201人となった。
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特集:熊本地震
熊本地震 災害時の生活情報
気象庁によると、熊本県内で震度7が観測された14日夜の地震以降、マグニチュード(M)が3・5以上の地震は17日午後1時半までに165回発生した。1995年以降の地震で最多という。
熊本県によると、地震で全壊した住宅は少なくとも400棟に上り、阿蘇地区に集中。半壊や一部破損などを含む住宅被害は2千棟以上になった。
余震も続いているため、自宅に帰れない人も多く、同県によると、17日午後2時半現在、小中学校など計723カ所に約11万人が避難。避難者の数は熊本市(人口約74万人)が最も多く、約5万人と県内の避難者の半数近くを占めている。道路の不通などで物流網が乱れ、水や食料が十分には行き渡っていない避難所もある。大分県内では約1千人が避難した。
熊本県内では、ライフラインの寸断も続き、17日午後3時現在で熊本市や益城(ましき)町、西原村など県内の約27万戸で断水が続いた。うち約18万5千戸を占める熊本市では18日中の完全復旧をめざすという。
九州電力によると、17日午後11時現在で県内の3万5400戸が停電しているが、被害の大きい阿蘇地区などを除き、18日未明までに復旧する見通しだ。
都市ガスの西部ガスが供給する熊本市など県内10万5千戸でガスの復旧のめどが立っていないが、LPガスについては、阿蘇市など被害の大きい一部自治体以外はほぼ復旧しているという。
交通機関の乱れも解消していない。JR九州は一部を除いて18日も熊本県内での在来線の運転を見合わせる。脱線した九州新幹線の運転再開のめどは立っていない。熊本県内と各地を結ぶ高速バスも高速道の不通で運転を見合わせている。熊本空港も空港ビルが壊れて閉鎖している。
学校関係では18日、校舎の損壊や鉄道などの運転見合わせにより、県内の公立小中高校の約7割にあたる計389校が休校する。