町内を流れる川の両脇には、除染で出た汚染土などがいまも仮置きされたままだ=福島県楢葉町、福留庸友撮影
東京電力福島第一原発事故による政府の避難指示が解除された福島県楢葉町の町長選が17日、投開票され、現職の松本幸英氏(55)が新顔で元副町長の鈴木伸一氏(65)=いずれも無所属=を破り再選を果たした。開票結果は松本氏2689票、鈴木氏1787票。投票率は74・04%で、前回を約4ポイント下回った。
避難指示が解除された自治体の首長選は初めて。解除から7カ月が過ぎ、帰町したのは今月4日現在で町民の6%余にあたる473人。松本氏は「復興を止めるな」を合言葉に4年間で築いた国や県とのパイプをアピールし町政の継続を訴えた。
鈴木氏は、昨年9月の避難指示解除は「時期尚早だった」と批判。町に搬入路がある産廃施設で指定廃棄物を最終処分する政府の計画を町が容認したことについて、見直しを主張していたが、及ばなかった。(長橋亮文)