アイシン精機の子会社=熊本市南区、神沢和敬撮影
熊本県などでの一連の地震では、現地の大手企業の工場の多くが被災した。生産再開の準備を進めようとしているが、余震が続く中で多くは復旧の見通しが立たない。被災工場から部品供給が途絶えてトヨタ自動車が全国で車両生産を止めるなど、影響は九州域外にも広がっている。
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熊本地震 災害時の生活情報
ホンダの国内唯一の二輪車工場の熊本製作所(熊本県大津町)は22日までの生産停止を決めた。工場内の点検をしているが、余震の合間の作業のため、被害の全容を把握できていない。二次災害のおそれもあり、「生産をいつ再開できるかはまだわからない」(広報)という。
自動車用半導体をつくるルネサスエレクトロニクス子会社の川尻工場(熊本市)は、17日から本格的な点検を始めた。薬液やガスを使う設備もあり、余震を警戒しながら作業している。自動車用半導体は各社の仕様に合わせてつくるため、種類が非常に多く、取引先の部品メーカーへの影響をつかむには「まだ時間がかかる」(広報)という。
サントリーホールディングスは18日、九州熊本工場(熊本県嘉島町)の再開に数週間かかるとの見通しを発表した。余震で被害確認が進んでいないためだ。生産していたビール類、水、お茶などは、他工場での増産で対応するという。