ハンセン病患者の裁判がかつて隔離された「特別法廷」で開かれていた問題で、最高裁に調査するよう要請した元患者らの団体が、近く公表が予定される調査結果や調査の経過について、面会して直接説明するよう最高裁に申し入れた。最高裁は面会を検討している。
14日付で申し入れたのは、元患者らでつくる「全国ハンセン病療養所入所者協議会」(全療協)、多くの特別法廷が開かれた菊池恵楓園(熊本県)の自治会、「『らい予防法』違憲国賠訴訟全国原告団協議会」の3団体。
最高裁の調査は、3団体が2013年に「特別法廷は裁判の公開を定めた憲法に反していた」として、検証を要請したのがきっかけで始まった。最高裁が近く公表する報告書では、特別法廷の設置手続きに不適切な点があったとして謝罪する一方、違憲性には踏み込まない見通しだ。
全療協は14日、「最高裁が毅然(きぜん)とした態度で憲法違反だったことを報告書に盛り込むことを強く望む」とする宣言文を採択した。
3団体の代理人をつとめる徳田靖之弁護士は「司法が元患者を憲法の外においたことが問題の根本。違憲性を認めない限り、謝罪があっても受け入れられない」と話している。(市川美亜子)