トランプ米大統領が再び中東・アフリカ6カ国の国民の米入国を一時禁止した大統領令について、ワシントン州のファーガソン司法長官は9日、すでに効力が停止された先の大統領令に対する連邦地裁の判断が今回も適用されるべきだと同地裁に申し立てた。ミネソタ、ニューヨーク、オレゴン、マサチューセッツ各州も加わる。
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ファーガソン長官はこの日出した声明文で、新大統領令について「最初の大統領令と同じ違法な動機がある」と指摘した。
ワシントン州は1月、トランプ氏が出した類似の大統領令の無効を求めて同州の連邦地裁に提訴。2月に効力停止の決定を勝ち取った。トランプ政権は不服申し立てをしたが、米連邦第9控訴裁(カリフォルニア州)も地裁判断を維持する決定をしている。
トランプ氏は前回大統領令に対する司法判断を受け、今回は、入国禁止の対象国からイラクを除き、有効な入国査証(ビザ)保有者も対象外とした。それでも、イスラム教徒への差別に当たるという批判は強く、提訴を予定する4州のほか、ハワイ州も新大統領令がイスラム教徒を差別的に扱っているとして提訴している。(ロサンゼルス=平山亜理)