原子力規制委員会は19日、四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転や事故時の対応手順を定めた「保安規定」を認可した。これで再稼働の前提となる三つの許認可の審査がすべて終わった。現地での設備の検査を経て、四電は6月下旬に原子炉へ核燃料を搬入し、7月下旬にも再稼働させたい意向だ。
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四電は19日、「今後も検査に丁寧に対応し、再稼働に向けたステップを安全最優先で確実に進めます」とのコメントを発表した。規制委は、設備が計画通りに設置されているかや、正常に動くかといった検査を今月から現地で始めている。検査は再稼働まで続く。
伊方原発は、使用済み燃料から取り出したプルトニウムをウランに混ぜた燃料(MOX燃料)を使うプルサーマル発電を計画。四電は2013年7月に審査を申請した。
規制委は昨夏、安全対策の基本方針が新規制基準を満たすと認める審査書を決定。設備の詳細設計を記した「工事計画」も今年3月に認可した。すべての許認可を受けたのは、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)と関西電力高浜原発3、4号機(福井県)に続き3例目となる。
愛媛県や伊方町は、昨年10月に再稼働に同意した。伊方原発は瀬戸内海に面する佐田岬半島の付け根にあり、半島に住む住民は重大事故時に対岸の大分県などに避難する計画だ。(北林晃治)