新たに見つかった分岐断層
熊本県でマグニチュード(M)7・3の地震を起こした布田川(ふたがわ)断層帯から分岐した、新たな断層を見つけたと、広島大の中田高名誉教授らの研究グループが18日発表した。断層は長さ約5キロで、同県益城(ましき)町の中心部に向けて走っており、役場付近の家屋に大きな被害をもたらした可能性があると指摘している。
特集:熊本地震 ライフライン情報など
熊本地震 災害時の生活情報
研究グループは15~17日に行った現地調査で、布田川断層帯から益城町上陳地区を起点に西南西方向に分岐した断層が、最大1・2メートル横ずれしているのを見つけた。この地域は川の堆積(たいせき)物がたまった地層の上にあるため、洪水の影響などで土砂で隠れ、断層が地表から分からなかったとみられるという。調査では布田川断層帯自体でも最大約2メートルの横ずれを確認した。
分岐した断層は、益城町役場から約500メートルの所まで延びているのが確認された。一帯は家屋倒壊が著しく、同大の後藤秀昭准教授は「断層が近くで動いたため、被害が大きくなったと考えられる」としている。