パンフレットなどが並べられた日本のブースで記念撮影。中央は中村重信さん、左はギルバート・ポントンさん=20日、ブダペスト
■認知症の国際会議・取材日記@ブダペスト
介護とわたしたち
特集:認知症社会
いよいよ21日から会議が始まります。まずはこの会議について、説明します。
会議は、約80カ国の認知症に関する民間団体が加盟している「国際アルツハイマー病協会」(ADI)が主催しています。年に1回、毎年違う国で、認知症に関する研究発表や、ケアの取り組みについて意見交換などが行われています。
日本で加盟しているのは「認知症の人と家族の会」。開幕前日の夕暮れ時、家族の会の人たちと、会場の下見に行って来ました。
すでに会場の受付にはのぼりが立てられ、会議の運営スタッフが慌ただしく設営を進めていました。
今回の会議場は、大小様々な会議室を取り囲むように、各国の団体、企業のブースが30ほど並んでいます。
日本のブースで家族の会の人たちは、認知症サポーターキャラバンのオレンジリングや、来年の国際会議の開催地・京都にちなんだ舞妓(まいこ)さんが描かれたバッジなどを置いていました。今回の会議の会期中、日本の認知症の取り組みを紹介したり、来年の京都での会議をPRしたりするそうです。
京都の国際会議で組織委員長を務める中村重信さんは、同じようにそれぞれのブースの準備に取り組む人たちの姿をみつめていました。「様々な国から熱意を持った人たちが参加している。日本での会議が、広く認知症を考えるきっかけになるよう、たくさんの人に声をかけたい」と意気込みを語っていました。
ちなみに日本の隣でブースを構えたのは、モーリシャス共和国。人口約130万人、東京都とほぼ同じ大きさの、インド洋に浮かぶ島国です。準備に汗を流していたギルバート・ポントンさんは、高齢者がゲームを楽しむ自国のデイケアの様子や、ウォーキングイベントの写真をボードに貼り付けていました。
「(島国で)離れた場所にいるからこそ、この会議は外国の情報を得る貴重な機会。たくさん意見を交わし、私たちの取り組みも伝えたい」と話していました。
日本との時差は8時間。これからひと眠りして、会議の取材にあたります。(浜田知宏)