モスクワのクレムリンで20日、上月豊久大使から信任状捧呈(ほうてい)を受けるプーチン大統領=駒木明義撮影
ロシアのプーチン大統領は20日、安倍晋三首相が5月6日にロシア南部ソチを訪問して首脳会談を行うと発表した。プーチン氏は首相の訪ロが日ロ関係強化に貢献することへの期待を表明し、米国などの懸念を押し切って訪ロを決めた首相の判断を高く評価する考えを示した。
プーチン氏はこの日、モスクワのクレムリンで、日本の上月豊久・駐ロ大使ら各国の新任大使の信任状捧呈(ほうてい)式に臨んだ。その際のあいさつで、日本との対話の促進はロシアにとって優先的な外交政策の一つだと指摘。その上で「5月6日に予定されている安倍首相のソチへの実務訪問が、互恵に基づくロ日関係を拡大させることを期待している」と述べた。
2013年4月に安倍首相が訪ロした際、次回はプーチン氏が訪日することで合意していた。しかし、その後のウクライナ危機をめぐり日本がロシアに制裁を科したことなどから、プーチン氏の訪日が実現しない状況が続いていた。昨年、プーチン氏が安倍氏にロシアの地方都市で会談を開くことを提案。安倍氏が受け入れていた。一方、米国などからは日本がプーチン氏との対話を進めることを懸念する意見が出ていた。(モスクワ=駒木明義)