安保法制の違憲訴訟に向けて原告となる市民らが集会で決意を述べた=東京都内
安全保障関連法に反対する弁護士らでつくる「安保法制違憲訴訟の会」は20日、東京都内で集会を開き、市民ら約500人が26日に東京地裁に違憲訴訟を起こすと発表した。さらに約1500人の市民が違憲訴訟への参加を希望しており、全国約15カ所の地裁で提訴していく方針だ。
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東京地裁への提訴は、安保法制によって憲法が保障する「平和的生存権」などが侵害され、精神的苦痛を受けたことへの慰謝料を求める国家賠償請求訴訟と、安保法制で自衛隊に認められた他国軍への後方支援などの活動の差し止めを求める行政訴訟の2件。
原告は原爆や空襲の被害者、自衛隊員の家族、母親らで、慰謝料として1人10万円を請求する。代理人には、30人以上の元裁判官や数人の元検事も参加するという。
米海軍横須賀基地から10キロ離れた神奈川県横須賀市で暮らす新倉裕史さん(68)も原告のひとり。集会で「米軍と自衛隊が新たなテロを生む行動をしないか心配。基地の街の住民として、安保法制を廃止したくて原告に加わった」と話した。違憲訴訟の会共同代表の伊藤真弁護士は「安保法制は違憲。司法を通じてこの異常事態から脱却し、廃止に向けた国民運動の一環としたい」と述べた。(佐藤恵子)