福島市の小林香市長の後援会が主催した政治資金パーティーで、市内の有権者10人に無料で飲食を提供していた疑いがあることがわかった。公職選挙法違反(寄付の禁止)の恐れもある。後援会は「来賓向けに『御招待』と記した案内状を送ったため、無料と誤解された」と説明している。
パーティーは今月21日、福島市で開かれた。会費5千円で約1千人が参加し、酒などが振る舞われた。
開催に先立ち、後援会は通常の入場券とは別に、来賓向けの案内状と入場券を作成。案内状は会費「5000円」の部分を二重線で消し、「御招待」と記載。「納入済入場券」と書かれた入場券にも「御招待」と記した。こうした加工について、後援会幹部は「来賓への配慮だった。『御招待』の入場券でも会費を払うのが慣例だと思っている」と話す。
来賓向けの案内状と入場券は、地元の国会議員や首長、地区代表の市民ら約100人に送った。このうち、当日、会場に来たのは37人。27人については受付などで会費を徴収した記録が残っているものの、残る10人は入場した記録のみ。会費を払っていない可能性が高いという。後援会は朝日新聞の指摘を受け、未払いの参加者から会費を徴収することにしている。
小林市長は「招待だとしても会費を持ってこられるのが常識だと思っている」としたうえで、「誤解のないようにする必要がある」と述べ、「御招待」の入場券を見直す考えを示した。(鹿野幹男、伊沢健司)